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デジタル時代の倫理観

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なぜ倫理観が重要なのか?

人間の行動や意思決定の指針となる原則が「倫理」であり、テクノロジーを扱う上で無視してはならないとても重要な要素です。デジタル時代に合わせたビジネスを行う企業も、この問題を素通りすることはできません。

インターネットが発達し、スマホやSNSが身近になってから、コミュニケーションのあり方は一変しました。同時に、社会的に取り組むべき新たな倫理的問題も生みだしています。近年では、特に以下のような課題が取り上げられています。

プライバシーとセキュリティ

プライバシー保護とセキュリティ確保は、企業が取り組むべき重要な課題です。個人情報がオンラインでよりアクセスしやすくなってから、顧客のプライバシーを保護しているかどうかについての関心が向けられるようになりました。また、デジタル技術の発展に伴い、サイバー犯罪も増加しています。企業は顧客情報を確実に保護し、誤用・乱用がないよう適切な管理をしなければなりません。

フェイクニュース

ネット上には多くの情報が溢れており、真実とウソを見分けるのは困難です。フェイクニュースは社会や政治に亀裂を生じさせ、健全な企業・組織への信頼を失わせてしまうので、かなり深刻な問題に発展します。どちらかといえば個人が気をつけるべきことですが、企業がフェイクニュースに騙されて経営判断を下してしまう可能性は十分に考えられますし、企業が消費者を惑わせてしまうこともありえます。ネット上に上がっている情報が事実かどうかは、常に確認する必要があります。

AIが抱えるバイアス

最近では人工知能(AI)の発展が目覚ましく、消費者の間にもAIが身近なものになりつつあります。AIの利用が進み、ビジネスでもAIを取り入れようと考える際に注意するべきポイントが、AIが強いバイアスを持ってしまうことです。
AIのアルゴリズムは、学習データから差別的な情報をピックアップしても、それが差別的かどうかを認識できません。そのため、有色人種や女性といった特定グループに対する偏見・差別を助長し、それをアウトプットしてしまう可能性が高いのです。企業がAIシステムを使う場合には、AIがそのような偏りのないようにするか、そういった偏りを出力しないような設計になっているかをチェックし、修正を重ねる必要があるでしょう。

まとめ

倫理観は社会活動をより良くするために欠かせない要素です。テクノロジーが発展するたび、倫理的問題が追加されるのは致し方ないことです。しかし、だからといってこの問題を放置すると、社会全体にデメリットが生じてしまいます。社会的責任を負う企業としてはなおさらこの問題を直視し、対処する必要があるでしょう。